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いざ都心へ! 相鉄線の変化【日本の鉄道に注目 (10)】

相鉄・JR直通線の営業開始!

新線ができると近ければすぐに、多少遠くても日帰り可能ならばなるべく早めに乗りに行く、というのはいかにも乗り鉄の習性でありましょう。鉄道は乗ってナンボ、乗らなきゃ何も言えませんから。

で、乗ったわけですよ相鉄新線、西谷駅から武蔵小杉駅までの新しい区間を。ま新しいトンネルの中を走りながら、相鉄線のことを考えてしまいました、良さが失われそうな気がしたので。

そもそも相鉄線ってどんな路線なのか、ちょっと説明をしておきます。正式名称は相模鉄道、路線は神奈川県内のみ、総営業距離は関東の大手私鉄の中で最短です。テレビドラマや映画、CMなどのロケーション撮影に協力的であることが知られています。あとは、沿線の二俣川駅のそばに運転免許センターがあるので神奈川県民であれば乗ったことがない人は少ないでしょう。

JR直通新線開通以前の相鉄線横浜駅から神奈川県の県央部の海老名駅を結ぶ本線と、二俣川駅で本線とわかれて藤沢市湘南台駅につながるいずみ野線のみで、路線図を簡略化して書くとY字型になります。シンプルな路線でしかも、いずみ野線の全線開通以前は各停と急行しかありませんでした。いわゆる通勤ライナーやロマンスカーのような乗車券だけでは乗れないものもありません。
各停と急行しかなかったころは、早朝深夜の一部の電車以外いずみ野線は全て各停、本線は全て急行で横浜駅二俣川駅間の各駅には停まりません(二俣川駅以遠は全駅に停車)でした。そのため横浜駅において二俣川駅以遠の利用客はみんな急行(いずみ野線利用客も。二俣川駅で乗換)、それ以外の近距離客は各停を利用しホームも別々です。そのため各停には横浜市中心部近郊の、急行には郊外の、車内の雰囲気が山手と下町みたいに違っていました。

わかりやすさが当時の相鉄線の他の大手私鉄にはない美点であったと私は思っています。それが1999年に快速が走りはじめて鶴ヶ峰駅星川駅に停まるようになったあたりからかわりはじめました。2014年には特急が登場し、当初の本線特急は横浜、二俣川、大和、海老名のみ停車、いずみ野線特急は横浜、二俣川、いずみ野、湘南台のみ停車でした。特急には各停を追越したり快速と連絡したりといういくつかの運転パターンがありました。

そして2019年、新線(正式名称相鉄新横浜線)の開通ですよ。これによって特急が西谷駅にも停まるようになってしまいました。急行は西谷駅には停まりませんから、変ですよね。しかも通勤急行が急行停車駅に加えて鶴ヶ峰駅西谷駅にも停まり、通勤特急が特急停車駅と鶴ヶ峰駅にも停まるようになりました。快速も従来の停車駅に加えて西谷駅にも停まるようになりました。

これでは利用客がどの列車に乗ればいいのか、路線図や時刻表を見ただけではピンときません。わかりやすさが相鉄の美点だと私は思っていたのですが・・・・・・。

ただ実際は、相鉄線は駅も路線もまだまだ少ないので駅に行って路線図を見つつアナウンスを聞けばだいたい間違わずに乗るべき電車に乗れます。そのため多少複雑になっても混乱はあまり起きていないみたいです。わかりやすくはないけれど、わからないわけではない、ってところでしょうか。

直通運転のパターンはこうあるべきでは?

今さら直通運転のパターンを変更するなんて現実的には不可能でしょうから、これは私の妄想にすぎません。ただの妄想ですが、JR線直通電車は二俣川駅始発のみ、鶴ヶ峰駅西谷駅、そして羽沢横浜国大駅に停車するというワンパターンでよかったんじゃないかと私は思っています。二俣川駅では急行発車後に入線して即発車、となりホームの各停が続いて発車することにすれば急行および各停と連絡できます。これなら相鉄線の乗換えは全て二俣川駅でOKってことになってわかりやすいじゃないですか。特急も急行も従前どおり二俣川駅横浜駅間の各駅には停まらず、快速も西谷には停まらず、ならば変更を最小限にとどめることができます。

わかりにくい路線の沿線に人は引越してこないと私は思います。逆に言えば、相鉄線のかつての発展はそのわかりやすさに起因していたんじゃないか、と。

(この記事終わり。(11)は移動自粛期間中の新幹線の車内について)